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バイアグラ使用上の注意

 平成11年1月に、日本でもバイアグラの製造が承認され、3月から販売が許可されました。バイアグラは日本の比較臨床試験ではじめて有効性が証明された性機能の障害を改善する飲み薬です。発売後5ヶ月間で、この薬剤使用により死亡したと報告された方が数人あります。そのため厚生省では、使用者が注意事項を守って薬を正しく使用するようによびかけることをメーカーに対して指示しています。

 バイアグラは本来、性機能の障害すなわち男性性器の勃起不全または勃起障害すなわちED治療のみに使用する薬です。いわゆる生活改善剤であって、催淫剤や性機能増進剤ではありません。したがって、一般の医師あるいは専門医の診察、診断を要します。問診、診察でEDか否かが決められます。EDとは性交時に男性性器の十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行なえない状態を言います。

 EDは現在の日本では広くみられる疾患であると言われています。年齢が増すと増加することが明らかになっています。また多くの疾患や薬剤などに関連して起こります。心疾患、糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、うつ病、腎臓病、脊髄損傷や骨盤内手術などの神経障害で起こり、薬では血圧の薬やうつ病の薬や糖尿病の内服薬などで起こることもあります。その他、喫煙、お酒の飲み過ぎや、いろいろのストレスでも起こることもあります。

 次に注意しなければならないことは、心臓病や冠動脈の疾患のあるひとや前に患っているひとは薬の使用は禁止されています。心臓の検査すなわち心電図検査を要することもあります。特に、心臓薬のうちで冠動脈拡張剤であるニトログリセリンや亜硝酸剤を服用している人は絶対に使用しないで下さい。現在までに死亡したと報告されている例は、医師の処方以外で薬を手に入れて服用しており、その殆どの人は、心臓疾患があったり、そのために心臓薬を服用していた人であったとのことです。その他治療していない高血圧、低血圧、網膜色素変性症と言われる疾患なども使用禁止となっています。診断の結果で使用が可能となって始めて薬が処方され、あるいは処方箋が発行されます。そして、これらに要した費用は健康保険の適用はありません。すべて自費となります。これらの問題が解決できて、処方された場合は医師の使用上の注意を守り正しく使用して、生活をエンジョイしてください。