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胃がん?早期発見のすすめ?

 胃がんは、食生活の変化などにより、年々減ってきています。1998年(平成10年)には男性では肺がんが死亡率のトップとなり、胃がんは第2位となりましたが、依然として全てのがんの1、2位を争う主要ながんであることには変わりありません。

 胃がん検診は、がん検診の中で一番歴史が長く、多くの職場や自治体で行われています。胃がんの発生は40歳頃より増え始めますので、検診の対象者は40歳以上となっています。検診はレントゲン検査で行います。朝から何も食べたり、飲んだりしないで、胃を空っぽにして検査を受けます。バリウムと呼ばれている造影剤を飲みます。一寸ドロッとした液ですが、以前から比べると改良されて飲み易くなりました。バリウムの他に、胃の中でガスを発生させる発泡剤も同時に使います。バリウムとガスが混じり合って、胃の状態が写し出されます。検診で撮影されたレントゲン写真は専門医が診断します。異常があれば、精密検査を受けるようにとの通知が本人に送られてきます。

 精密検査はレントゲンによる方法と胃カメラによる方法があります。レントゲンによる方法は、医師が直接テレビを見ながら、詳しく検査をします。胃カメラは、直接胃の中を覗いて見る検査です。小指の太さぐらいのファイバースコープを、咽の奥に入れます。ファイバースコープは非常に細いガラス繊維の束でできていて、かなり柔らかいものです。あまり抵抗なく胃の中へ誘導されてゆきます。この検査法は胃の病気を直接見ることができるので、確実な診断ができます。

 検診の結果、ほとんどの方が「異常なし」ということになりますが、それで全て安心というわけではありません。直径が1センチメートル以下の早期がんは見落とされる可能性があります。毎年検診を受けていれば、翌年拾い上げられるわけです。早期がんは発育がゆっくりしていますので、まだ完全な治療ができます。したがって、少なくとも年1回の検診を受けることが大切です。