
胃潰瘍は以前は治りにくい病気でしたが、今はよい薬がいろいろ開発されていて、殆どの場合は薬を1?2カ月服用すれば治ってしまいます。しかし、治療をしっかりやらない場合に3カ月以上経っても治らないものは、難治性潰瘍つまり慢性の治らない潰瘍となって、しょっちゅう胃が痛むやっかいな状態となってしまうことがあります。胃潰瘍はなぜできるのでしょうか。またどうして治りにくくなるのでしょうか。
胃潰瘍になる原因の一つは、胃酸がたくさん分泌し過ぎることです。すなわち過剰な胃酸が自分自身の胃の粘膜を消化してしまい胃潰瘍ができるのです。一方、胃の粘膜は厚い粘液の層で覆われていて胃酸の攻撃から守られています。また胃の粘膜にはいろいろな攻撃を防御する因子があります。これらの攻撃因子と防御因子のバランスが崩れると胃潰瘍が生じます。攻撃因子の胃酸を中和することで、潰瘍を防げます。一番よいのは牛乳ですが、飲めない人はスキムミルクやヨーグルト、豆腐などを摂るとよいでしょう。その他、お粥や柔らかいご飯、パン、うどん、白身の煮魚や鶏肉、よく煮た野菜なども粘膜に優しい食べ物です。
反対に胃の粘膜を障害する飲食物を避けることが、胃潰瘍を防止することになります。固いご飯やおこわ、冷や飯など、またあまり脂っこい食品などは胃の粘膜に負担をかけますし、強いアルコール飲料やコーヒーなどは、好ましくありません。ことに空腹時に飲むのは最悪です。またタバコも胃潰瘍の原因と言われています。暴飲暴食も胃潰瘍の危険因子であることは、申すまでもないでしょう。
次に、重要な原因にストレスがあります。ストレスを上手に避けて、身体の安静を得ること、十分な睡眠をとり、あまりくよくよ神経を使わないようにしましょう。また、適度の運動によって精神的ストレスからの開放が得られます。
最近では、いわゆるピロリ菌の胃内感染、つまり胃の粘膜にピロリ菌が棲みついていると、胃潰瘍ができると考えられています。事実、ピロリ菌を除くと、胃潰瘍の再発が極めて少なくなります。平成12年11月から保険での治療が認められています。