保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

健康ファイルボックス

病気や健康に関する知識をお届けします

TOP > 健康ファイルボックス > 内科 > 男性更年期

男性更年期

 中高年女性に更年期があるように、同じく中高年男性にも更年期或いは更年期障害があると言われています。

 ある大学の泌尿器科では「男性更年期外来」を開設しています。この外来が開かれた理由は、性機能障害で訪れる中高年男性のなかに不安や不眠などさまざまな症状を訴える患者が多いため、精神神経科や循環器科などと協力のもとでいろいろ検討しているうちに、男性ホルモンとこれらの症状との関連が分かって、専門治療を始めたとのことです。

 男性更年期は、専門家の間ではパダム(PADAM)またはアダム(ADAM)と呼ばれています。これは「中高年男性における部分的、進行性アンドロゲン低下症」の英語のイニシャルを並べたものです。すなわち、いわゆる不定愁訴と言われるいろいろな症状が男性ホルモンの分泌低下によって起こっていることなのです。

 主な症状は、抑うつなどの精神症状、筋力低下や発汗などの身体症状、勃起障害などの性機能関連症状(ED)があります。

 男性ホルモンはテストステロンと言われますが、二つのタイプに分けられます。そのうちの一方のタイプが低下すると言われています。

 治療はこのタイプのホルモンを補充することです。それと同時に、うつ傾向が強ければ抗うつ剤を、性機能障害が強ければ性機能改善剤を使用することもあり、いずれもうつ病との鑑別が必要です。そのため専門医の診断を受けなければなりません。また、男性更年期であることを確かめるにはホルモンの測定が欠かせませんが、ホルモン測定は簡単にはできません。また今は質問表も外人用を使っているので日本人用の表の開発が必要です。