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中性脂肪の値が高いと言われたら

 中性脂肪は、脳を除く身体のエネルギー源になります。しかし、過剰になると、動脈硬化の原因になります。

 中性脂肪は、脂肪酸とグリセリンが結合して出来ています。このままでは血液に溶けないので、タンパク質(アポタンパクと言います)と結合して血液中を運搬されます。アポタンパクと結合するのは、中性脂肪の他、コレステロール、リン脂質があります。これらの脂質と結合したものをリポタンパクと言います。リポタンパクは、これらの構成割合で、カイロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDLに分類されます。中性脂肪は、前二者に多く含まれます。後三者は、分子の大きさが小さいので血管の壁の中に侵入する事が出来ます。このうち動脈硬化を悪化させるのは、IDL、LDLで、改善するのが、HDLです。

 中性脂肪が高いと言われた際に、まず食生活を見直す必要があります。糖質や脂質、アルコールの摂取量が多いと、中性脂肪に変わるからです。また、運動量が足りないと、中性脂肪が増えます。

 食事療法や運動療法を行なっても改善しない場合は、薬物療法を併用します。

 軽度の場合は、青魚の油のEPAを服用したりします。これでは効果がない場合や、重度の高中性脂肪血症の場合は、フィブラート系の薬剤を服用します。

 目標の中性脂肪の値は、150mg/dl未満です。

 

(最終更新:2018.12.13/鈴木悦朗)