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注意しよう、嘔吐が続いたら

嘔吐とは、胃の中の食べ物や胃液などを口から吐き出すことを言います。嘔吐に先立って起こるむかつくような不快感を吐き気または悪心と言います。その際に生つばが出たり、脈が速くなって顔色が蒼くなり、あるいは冷や汗、生あくびなどが出たりして、上腹部の不快感などの症状を伴うことが多いのです。しかし、嘔吐にはその吐き気を伴うものの他に吐き気を伴わずに突然吐くものがあります。すなわち吐き気を伴う嘔吐は、胃や腸、肝臓などの消化器に原因があって起こることが多く、吐き気を伴わない嘔吐は神経系に障害があって起こることが多いのです。

腹痛を伴って吐き気がしたり嘔吐する疾患では、発熱があって下痢をする場合、多くはウイルス性胃腸炎で、ウイルス肝炎などもあります。また急性虫垂炎や胆嚢炎、急性膵炎などの急性疾患があります。熱がなく腹痛を伴う場合では急性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石症や腸閉塞などがあります。以前は吐き気や嘔吐して、下痢や便秘などいろいろの症状を伴う疾患では回虫症がありましたが、今は殆どありません。また食道疾患や腹部のヘルニア、尿毒症や薬の副作用などでも起こります。また婦人科疾患で起こることもあります。頭痛を伴う吐き気や嘔吐を来す疾患では脳出血、脳梗塞や偏頭痛などがあり、その他脳腫瘍のこともあります。めまいを伴う疾患ではメニエール病などの耳鼻科的疾患があります。

このように吐き気や嘔吐を来す場合はいろいろな疾患があり、その原因もさまざまですので、もしそのような症状が続く場合はまず主治医に相談してください。専門医の診察や治療を要する場合もあります。

 

(最終更新:2018.10.24/鈴木悦朗)