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冬と高血圧

高齢の方や血圧の高い方にとって、冬の寒さはひとしお身にしみます。血圧は夏よりも冬の方が高く、20~30位上がります。最近では部屋の暖房も良いので卒中発作などの合併症も少なくなりましたが、それでも冬の方が多く発症します。そこで寒さにうち勝つ方法について考えてみましょう。

まず、なるべく体を動かすことが肝要です。寒いからと言ってストーブにかじりついて、じっとしていても芯から暖かくなりません。運動が一番ですが、あまり激しいものはかえってよくありません。ラジオ体操やストレッチ体操、また時速5~6キロメートルの早歩きなどが効果的です。このような運動によって、一時的な血圧の降下作用が認められています。勿論、その他のスポーツも、いつもなれているものを無理なく行えば、血圧によい影響が得られます。運動時は汗を吸う木綿の薄い肌着を着て、運動後はすばやく汗を拭き、着替えましょう。

次は、食事についてです。塩分ひかえめの基本は守りましょう。暖かい鍋料理など好適ですが、あまり栄養過多にならないようバランスの良い食事を心がけましょう。お酒は楽しむ程度はよろしいのですが、深酒は脳卒中、冠動脈疾患の発作を誘発します。

入浴はぬるめの湯にゆっくりつかり、体の芯から温まるようにしましょう。手足の血管が拡がり、血圧が下がります。しかし、酒気おびの入浴は危険です。絶対に入らないようにしましょう。

服装はやたらと厚く重ね着しても暖かくなりません。セーターなどは多くの空気を着ることになるので暖かいのです。また風は体から熱をうばいます。風速1メートル増す毎に体感温度は1℃下がります。外出時には、えりもと、手首など直接風が当らぬようにしましょう。寒い所から暖かい部屋に入ったら、上衣を一枚脱いだりして、まめに着衣の調整をしましょう。