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C型肝炎

 10年ほど前までは非A非B肝炎といわれていた肝炎の新しいウイルスが続いて発見されて、その本態が明らかになりつつあります。従来この非A非B型肝炎は少なくとも2種類以上ウイルスが関与しているだろうと言われていました。

 一つは流行性で経口性の肝炎です。A型に似ているもので、従来の方法でE型肝炎ウイルスが見つかりました。もう一つはB型肝炎に似て血液を介し起こる肝炎や散発性に起こるC型肝炎です。これは米国のカイロン社が全く新しい方法、すなわち遺伝子クローニングというバイオテクノロジーでC型肝炎関連抗体を作りました。この抗体検査を用いてC型肝炎と診断できるようになりました。そして米国でこの抗体検査を利用してウイルスが発見され、また日本の研究者によっても独自に発見・同定されました。

 C型肝炎の感染はウイルスに感染された血液の輸血や血液製剤など直接体内に入った場合に起こります。また汚染された注射針や鍼、入れ墨などでも起こります。母子感染や夫婦間の感染は割に少ないとされています。その他感染経路の不明な場合があります。急性肝炎はウイルスが体内に入って1ヶ月から6ヶ月位で発病します。症状は発熱、全身のだるさや食欲不振、皮膚が黄色くなったりします。しかし、あまり症状が出ない場合もあります。急性C型肝炎になった時は、安静、食事療法、注射・薬物療法を医師の指示に従ってきちんと行って下さい。なるべく短期間に治すことが大切です。C型はB型より慢性化する割合が高く3割から4割に達すると言われています。慢性肝炎でも治療の原則はほぼ同じです。定期的検査、注射・薬物療法です。

 注射では、インターフェロンが有効であるとされています。しかし、一定の条件や病気の状態、薬の副作用等の問題があります。慢性肝炎は10年以上経て、肝硬変、更に肝がんの発生が高率に認められてます。それゆえ初めにしっかり治療することが重要です。