
新型肺炎の大騒ぎは記憶に新しいと思います。厚生労働省を含めて、医療第一線にある私達も危機管理がいかに不備かを思い知らされた突発事件でした。9月にはシンガポールで新しい1例が発症しています。
SARSは重症急性呼吸症候群のことをいい、突然の発熱、寒気、筋肉痛、頭痛の全身症状を伴うものです。コロナウイルスというRNA型遺伝子をもった病原体は各国の追跡ですぐ判明しましたが、特効薬が未だ見つかっていないのが現状です。
このように新型ウイルスによるSARSが最初の集団発生地であった中国での情報公開の遅れで恐慌を起こしたことは残念といわねばなりません。感染経路は飛沫感染(ひまつかんせん)や接触感染が考えられ、N95マスクという無菌手術用マスクの品切れさわぎが起こった程でした。発生地への渡航者の制限・帰国者への対策や、国内で対応できる病院、疑いのある患者への各医療機関のとるべき対応等々全てが後手後手の応急策でした。ハクビシンからウイルスが広がったという香港チームの発表が疑問視されているように、全てのコロナウイルス伝搬(でんぱん)のメカニズムのは解明されていません。しかし相手がコロナウイルスと決定された以上、天然痘や麻疹や小児麻痺がそうであったように、ワクチンによる予防が可能になることは間違いありません。マスコミを含む世間が大騒ぎするのをよそに、免疫学者やウイルス学の専門家達は、冷静に実直な研究に没頭しているのです。それ迄の問はインフルエンザ流行の時期でもあるので注意すべきポイントを挙げてみます。