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乳幼児の発育

 一口にからだの発育といってもその内容はいろいろな内容を含めて考えられます。一般に、発育というと体重や身長がどれくらい大きくなったかというように形の変化がみられる場合をいいますし、発達というと首がすわったとかつかまり立ちが出来たとかというような機能的な変化をいいます。本日は主として体重などの発育についてお話しましょう。

 赤ちゃんが生まれる時の大きさはまちまちで、比較的大きく生まれる場合もありますし、逆に小柄に生まれる場合もあります。生まれる時の体重でいえばだいたい3キログラム前後で、身長は約50センチくらいです。また、頭の周囲の長さは33センチくらいです。

 以前は、一貫目も大きく生まれて良かったですね、などということが言われたものです。でも、赤ちゃんは必ずしも大きく生まれるのがよくて、小さく生まれるのが良くないということではありません。一貫目といえば3750グラムですからかなり大きい赤ちゃんであることは確かです。逆に2500グラム以下の小柄に生まれる赤ちゃんもいます。しかし、小さく生まれたからといって悲観することはありません。大切なことは生まれてきた赤ちゃんをしっかり保育するということです。

 赤ちゃんが生まれたら出来得る限り母乳で育てましょう。そして、赤ちゃんが妥当な発育をしていることを定期的な健康診断を受けつつ発育の経過をみるようにしましょう。赤ちゃんは生まれてから2,3ヶ月の頃は日に日に大きくなります。ここでもよく問題になるのは大きいということや小さいということです。お母さんやお父さんからみると少しでも大きく育ってほしいという気持ちはありますが、あまり大小にこだわるのはよくありません。小さければ小さいなりに、逆に大きければあまり大き過ぎないように育てることが大切です。重要なことはその赤ちゃんがその赤ちゃんなりの妥当な発育をするということです。ではその妥当な発育とはどういうことでしょうか。もっとも分かり易いのは計測した体重や身長の値を母子健康手帳に書いてある発育のグラフに当て嵌めてみて、だいたいその線に沿った発育をしていることが確かめられればそれで大丈夫です。乳幼児はちょっとした下痢などの病気になっただけでも体重が急に減少したりします。しかし、このような一時的な減少は病気がよくなり次第、体重もすぐに元の発育状態に戻ります。

 いずれにしろ赤ちゃんは万葉集にもうたわれているようにとてもすばらしいことです。赤ちゃんはそれぞれ個人的な特性をもちつつ発育します。あまり大小にこだわらないでしっかりと育てましょう。