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発熱時手当ての大切さ

 私達は風邪などのいろいろな病気にかかったときによく発熱するものです。そんな発熱時に家庭でできる手当てについてお話しましょう。

 大人でも一年に一度くらいは風邪をひきますし、赤ちゃんや子供はひと冬に何回も風邪をひきます。風邪ばかりでなく、いろいろな病気のときの発熱という状態は最もよくある症状のひとつですが、案外軽くみられている傾向にあります。風邪をひけば熱はあたりまえだと思わないで家庭でできる必要最小限の手当てをするように心掛けましょう。

 では熱が出たときにどのように対処すべきか考えてみましょう。

 まず、いろいろな風邪症状、例えば咳がでる、鼻汁がでる、クシャミをする、寒気がするなどの症状があったらまず第一に体温を計ってみてください。そして平熱よりも高い体温を示したら、すぐに氷枕(こおりまくら)で頭を冷やしましょう。氷嚢(のう)があったらそれでも頭を冷やしましょう。もしも氷嚢がなかったら冷たい濡れタオルでもよいでしょう。いずれにしろ、頭の部分をよく冷すようにして下さい。いくら手当てをしても、なかなか高熱がさがらなければ解熱剤を使ってもよいでしょう。ただし、解熱剤によっては使用しない方が良い場合もあります。注意してください。

 発熱したときに冷すと病気の回復を遅らせるという説がありますし、単に頭を冷やすくらいではすぐに熱は下がりません。しかし、乳幼児の高熱は痙攣をひき起こす原因になります。このヒキツケは絶対に防止すべきです。氷枕や濡れタオルを頻繁に交換してやることは子供の病状全体を看てやることに通じ、ひいては高熱による痙攣も予防できると思います。従って、特に乳幼児の発熱には十分に注意して手当てをして病状の経過を観察して下さい。また、比較的大きい子供でしたらば、おとなしく布団に寝てくれるので手当てもしやすいのですが、乳幼児はなかなか思うように寝てくれません。そのときは母親も一緒に添い寝などして手当てをしてやりましょう。病気の経過をよく看ることによってひきつけなどの重大事故にならないようにしましょう。