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どうしますか 子どもの野菜嫌い

 うちの子はなかなか食べてくれないとか、食べ方に偏り(かたより)があるといった悩みはよくあることです。このことは母親にとって心配の種の一つです。このような小食や偏食の問題は幼児期及びそれ以後にみられるもので、見方によっては嗜好や食欲がはっきりしてきたということの現われとも説明されています。

 一般に離乳期を過ぎて、3歳から4歳ごろになると味覚に対しても個人差が出て好き嫌いがはっきりしてくるようです。さらに10歳くらいになると味覚が確立すると言われますから、幼児期から学童期は食べ物の味や風味をひとつひとつ覚えて行く時期でもあります。このころは肉や魚や卵などの食品はそれらが持っている本来のうま味を覚える時期です。加工食品も多く出回っていていろいろな味付けがしてありますので、これらのものを食べて多く味を覚える時期でもあります。

 しかし、一方ではこのようなうま味も少なくて独特な青くささや苦味のある野菜は子ども達には好まれないようです。ここに子ども達の野菜ぎらいの原因があります。野菜でもトマトやキュウリなどは日常食べ慣れているためか子どもにも比較的好まれるようですが、白菜、ホウレンソウ、ニンジン、タマネギ、ピーマンなどは嫌われるようです。

 しかし、ここで注意しなくてはならないのは必ずしもたくさんの種類の食品をたべなければならないというわけではない、ということも知っておくべきでしょう。つまり、もしもどうしても嫌いな食品であれば、それに取って代わる食品を食べればよいということです。そうすれば栄養摂取という点では問題はありません。

 ではどのようにして子どもたちの野菜嫌いに対処したらよいでしょうか。一般に好き嫌いの原因には母親が嫌いなものは子どもも嫌いになると言われています。ですからまず第一に母親がすすんでなんでも食べるようにしなければならないと言えます。そして調理方法をいろいろ工夫することです。例えば、味付けを工夫するとか、野菜をいろいろな形にかえてみるなどして食べさせてみましょう。また、ともだちを家に招いていろいろな食べ物を自然に食べるように工夫するのもよいでしょう。でも、なによりも母親や父親が子どもと一緒にいろいろなものを食べる習慣をつけるのがよいでしょう。

 本来、食事は楽しいものです。食事が苦痛の原因になっては困ります。子どもが小さい時から父親と母親、できたらおじいさんおばあさんも交えた楽しい食事の雰囲気作りが大切だといえましょう。