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リンゴ病とは

 リンゴ病というとかわいらしい名前の病名ですが、正式には伝染性紅斑と言ってちょっと怖そうな名前の病気です。この病気については多くのお母さんがよく知っているものですが、ここで少し説明をしておきましょう。

 この奇妙な名前がついた病気はどうしてなるのでしょうか。その原因はヒト・パルボ・ウイルスという名前のウイルスの感染によってなります。ほぼ一年をつうじていつでもありますが、春から夏にかけて流行る(はやる)ことが多いようです。

 罹る年齢は3、4歳から10歳くらいまでの子どもで、男女の差はあまりないようです。感染して約2週間くらいの潜伏期を経て症状が出てきます。ではどのような症状が出るのでしょうか。まづ、軽い風邪症状として咳、鼻汁(はな)、くしゃみ、軽度の関節痛および軽度の発熱です。ですからこれだけでは軽い風邪症候群と何ら変りません。しかし、さらに数日するとこの病気の決めてとなる症状が出てきます。つまり、この病名にもなっている症状で、両頬(りょうほほ)の赤い発疹です。最初は斑(まだら)状のすこし盛り上がったような赤い発疹が出来ます。この発疹が次第に一つになり、両頬に羽を広げた蝶のような形になります。手で触ると熱を持っていることがわかります。この頃になると腕や太股(ふともも)、お尻などにレースの網の目のような赤い発疹が出てきます。あまり強い症状はありませんが、軽いカユミや違和感を感じるようです。これらの発疹は1週間くらいで消えますが、もう少し長引いたり、一度消えたのにまた出るということもあります。

 このようにいろいろな症状が出る病気ですが、多くの場合重症化したり余病をおこしたりすることは少ないでしょう。

 また、この病気に効く薬はありません。もしも発熱したら氷枕や氷のうなどで冷やすなどの手当てをして下さい。

 更に、このように発疹が出来る伝染病なので、保育園、幼稚園、学校などの集団生活はどうすればよいのか迷うと思います。発熱もなく元気でいられる状態でしたらば登園、登校してかまいません。その理由は、発疹が出たときには既にこの病気のウイルスの排泄はないからです。つまり、他の子どもにさらに感染を広げることはありません。