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狂犬病とは何ですか
狂犬病といっても普段あまり聴きなれない病気ですが、外国ではまだまだある病気で、感染するとほぼ100パーセント死亡するといわれています。
ではどのようなときにこの病気になってしまうのでしょうか。通常は狂犬病ウイルスをもった動物にヒトが咬まれ、その傷から体内にウイルスが侵入して感染して発病します。ただし、ヒトからヒトへは伝染しません。感染し易い動物は病名にもありますようにイヌが多く、その他ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリなどの場合もあるといわれています。
ではもしも感染したらどのような経過をたどるのでしょうか。狂犬病ウイルスを持った動物に咬まれてから約1か月の潜伏期間を経過すると、咬まれた場所が痒くなり、熱をもった状態になります。そして、一般的な風邪症状が出ると同時に不安、興奮、精神的な異常状態になり、やがて呼吸麻痺をおこして死亡します。
このようにとても恐ろしい病気ですが、幸いなことにわが国では今から60年ちかく前の1957年、即ち昭和32年に患者が確認されて以後発生していません。しかし、世界的にみるとまだまだ多くの国で患者が発生し、多くの死亡者が出ています。
では何故最近問題になっているのでしょうか。それは最近のペットブームによってアジア各国からイヌをはじめとして多くの動物が輸入され、そのなかには狂犬病ウイルスを保持したものが入ってくる可能性があるからです。
このようなことから政府は法律を改正し、狂犬病発生国からは生後10か月未満のイヌやネコの輸入を禁止するという検討をはじめています。さらに、狂犬病発生国からわが国に輸出される前の予防接種回数を増やし、一定期間待機させるなどし、さらに予防接種などの情報を埋め込んだチップをイヌの皮膚に埋め込むなどの義務化も検討しています。
現在、わが国ではペットとして約1千万匹のイヌが飼われているといわれるように、空前のペットブームです。飼い主は自分の家のペットの管理をしっかりするよう心掛けましょう。