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子どもと夏の病気

 ヒトのからだは季節の変化に応じて変動し、夏の暑さから冬の寒さまで、それぞれの季節にできるだけ適応するように微妙な変化をしています。でも最近のように連日暑い日が続くときは夏特有の病気にもなり易いものです。このような季節こそ注意して病気にかからないようにしましょう。そして元気にこの夏を乗り切りましょう。

 まず夏風邪といわれるものがあります。風邪というと冬だけのもののように思われますが、夏には夏特有の風邪があります。これは夏に流行する風邪ウイルスによるもので、鼻風邪程度のものからヘルパンギーナやプール熱といったとても高い熱をだすものまでいろいろの程度の風邪があります。中でも、プール熱はアデノウイルスの感染によってなります。別名、咽頭結膜熱といわれるように目が赤く腫れて咽頭(のど)が赤くなり、発熱、腹痛、下痢、嘔吐などの症状がでます。対策としては、寝冷えをしないようにし、手洗いやうがいもこまめにするようにしましょう。

 暑い日が続くと日射病や熱射病にもなりやすいものです。これは気温が高く蒸し暑いときにからだの熱が順調に発散できず、高い熱をだすことをいいます。室内や屋外でスポーツをしたり観戦したりしているときになりやすいものです。水分を充分にとるようにしましょう。

 また、夏には夏季熱というものもあります。これは乳幼児でなりやすいもので、はっきりした原因もなく毎日発熱が続きます。体温調節がうまくゆかなくなって発熱が続くといわれていますが、比較的元気であまり重症感はありません。部屋を涼しくして様子をみて下さい。

 この他にも、トビヒやアセモノヨリ等もあります。トビヒは伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といわれるもので、虫刺され、湿疹、あせも、すり傷に化膿菌が感染してなります。アセモノヨリは化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)といわれるものでやはりアセモが悪化してオデキになった状態をいいます。いづれも入浴や行水をして皮膚を清潔にしておくことが大切です。また、虫刺されや湿疹があったらはやくなおしておきましょう。

 更に、病気というものではありませんが夏ばてや冷房病にも気を付けましょう。クーラーの温度はほどほどにし、寝冷えや夜更かしをしないようにし、睡眠をしっかりととり、栄養にも充分に気配りしましょう。