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子どもの亀頭包皮炎

 この病気の説明をする前に、亀頭とはどんなものかということからお話します。この亀頭というものは男性生殖器の陰茎、つまりペニスの先端の部分をいいます。ここはやや膨大してキノコの傘またはその名の示す通り亀の頭のような形をしているのでこのような名前が付いたものと思われます。亀頭の先端には尿道口があり、ここから尿を排泄します。

 陰茎全体は脂肪組織の少ない薄い皮膚で覆われていて、乳幼児ではこの皮膚が亀頭の部分も包んでいる場合が普通です。これを包皮(ほうひ)といっています。一方大人では亀頭全体が露出している場合が普通ですが、陰茎が縮んでいるときは亀頭を越えて亀頭全体が包皮で包まれている場合もあります。

 さて、問題の亀頭包皮炎とはどのようなものなのでしょうか。これは乳幼児によくみられるもので、包皮の内側にたまった分泌物や尿などがもととなってばい菌が感染して炎症をおこした状態をいいます。症状は亀頭そのものの表面や包皮の内側が赤くただれたり、痒くなったりし、ときにはおしっこをするときにしみて痛がります。

 ではどうしてこのようなことになるのでしょうか。まず第一に乳幼児はおおくの場合亀頭部分がいつも包皮の中に隠れた状態になっていることが多く、いわゆる仮性包茎の状態になっています。したがってばい菌が繁殖して白い垢(あか)つまり恥垢(ちこう)が出来やすくなります。するとそこが炎症を起こして亀頭包皮炎となりやすいというわけです。炎症を繰り返しますと亀頭と包皮がくっついてしまってなかなか治りづらくなります。このようなことにならないようにするためには、風呂に入れるときに包皮をすこしずつ開いてよく洗うようにしましょう。

 いずれにしろ、パンツが汚れたり、おしっこをするときに痛がって泣いたりし、炎症を繰り返すようなときは泌尿器医の診察をうけましょう。