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小児科医を受診する前に

 乳幼児の病的な症状は、大きく分けると、差ほど急がなくてもよいものとなるべく急いで医師の診察を受けたほうがよいものに分けられます。

 差ほど急がなくてもよいものには次のようなのもがあります。例えば、栄養や発育の問題、仕草や言葉などの発達の問題、軽度の湿疹や赤あざや水いぼなどといった問題、おねしょや夜泣きの問題などです。これらの事は時間を争って医院を受診しなくてはならないという緊急性のある症状ではありません。

 一方、急に高い熱がでたり、咳込んだり、呼吸が荒くなったり、呼吸をするときにヒュウーヒュウー、ゼーゼーしたり、下痢や嘔吐がなかなか止まらなかったり、顔色が優れない、ぐったりしてしまったなどの症状があるときは出来る限り急いで小児科医院または病院小児科を受診しましょう。

 では、どちらにしても、小児科医を受診する前にしておくとよいことについてお話しましょう。急がなければならない症状の中にもいろいろな程度がありますが、それぞれの症状に対する手当てを開始することです。例えば、夜中に子どもが急に熱をだしたからといってすぐに夜間救急外来を受診するのは必ずしも適切なこととはいえません。また、下痢をしたからといってすぐに病院を受診するのではなく、乳児でしたらとりあえず離乳食を中止してみる、幼児ならば固形食を中止して流動食にしてみるというように、まず家庭で出来る手当てをしてみましょう。その上で症状が改善しない場合は小児科医の診察を受けましょう。

 診察を受ける際、これらの症状が始まった時期、その経過や進行の程度、そしてどのような対処をしたかをメモして持参するとよいでしょう。例えば、熱が出たらその経過をグラフやメモ用紙に記録し、下痢をしたらその程度と一日の回数を記録しましょう。また、なにをどれくらい飲み食いしたかも記録するとよいでしょう。さらに、吐いたらその回数、咳をしたらどんな感じの咳か、機嫌はどうかなど、何か心配な症状があったらその内容をメモして記録しましょう。このようなことを準備することによって、小児科医は子どもの症状の経過とそれに対する手当ての様子がよく分かり、診察した状態と合わせて判断し、適切な治療をすることができます。薬の飲む量も必要最小限ですみますし、全体の治療の期間を短くして治すことにも通じます。

 また病気ではありませんが各種の予防接種を受けるときも、予定する前日くらいから体温を計って記録し、体調が良いことを確認してから小児科医を受診しましょう。このような準備をして予防接種を受ければお母さんも安心して受けることができます。