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赤ちゃんの発達

赤ちゃんが生まれてから以後、いつ頃になるとどんな仕草(しぐさ)が出来るかということについてお話しましょう。

お母さんやお父さんから見ると、赤ちゃんがお座りができるとすぐにでも歩いて欲しいという気持ちがあります。しかし、当然のことながら、生まれてからすぐに歩けるというわけではありません。いろいろな発達の段階を経て育ってゆきます。つまり、ヒトの発達にはそれなりの順序があります。

一般に、赤ちゃんが生まれると、ちゃんと育っているかどうかとても気掛かりなものです。例えば、同じ頃に生まれた近所の赤ちゃんはもうお座りが出来るのに、うちの子はまだ出来ないとか、同じ頃に生まれた知人の赤ちゃんはつかまり立ちができるらしいが、うちの子はまだ出来ないとかというように、いろいろな気苦労があるものです。

しかし、考えてみますと生まれるときのからだの大きさも誰もが同じような大きさで生まれてくるわけではありません。大きい子もいれば小柄な赤ちゃんもいます。大きい子が良くて、小さい子がだめだなどということもありません。発達についても同じようなことが言えます。独り歩きが早くできるのが良くて、遅い子がだめだというわけでもありません。

そこで、赤ちゃんが生まれてから約1歳くらいまでの間にいつどんなことが出来ていればよいかを説明しましょう。最小限、三つのことに注意してください。つまり、首のすわり、お座り、独り歩きの三項目です。育児書にはこの外に、寝返り、はいはい、つかまり立ち、などの多くの項目について説明がありますが、あまり細かいことは要りません。

まず、首すわりについてです。これは生まれてから3ヶ月になっても約半数くらいの赤ちゃんが出来る程度です。全体の9割の赤ちゃんが出来るのは生後4ヶ月を過ぎてからです。また、お座りはどうかといいますと、約半数の赤ちゃんができるのが生まれてから6ヶ月半で、全体の9割の赤ちゃんが出来るのが8ヶ月を過ぎてからです。

では、独りで歩くことが出来るのはいつごろでしょうか。これはとても個人差があり、極端な例で言えば100人に2~3人は生まれてから10ヶ月くらいで歩き始める子もいます。しかし、だからといってこの子が特別に優れているというわけではありません。では普通の発達ではどうでしょうか。この独り歩きについては約半数の子が出来るのがちょうど1歳の誕生前後です。そして全体の9割の子が出来るのが1歳2ヶ月ころです。

からだの発育と同様に仕草の発達も個人差があります。要点をしっかりと把握して育てれば大丈夫です。