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赤ちゃんの夜泣き

 赤ちゃんが夜泣きをすると、親は起こされる事よりも心配で不安になる方が多い様です。原因は多種考えられておりますが、赤ちゃんが泣くのは何らかの不都合を訴えている事が多いので、前例無く突然火が付いたように泣く場合には、急いで医療機関を受診した方が良いと考えて下さい。

 夜間睡眠中は副交感神経が優位になる為、消化器は昼よりも活発に動きます。従って、腸の通過障害等が有る場合に痛くて泣く事が有り、その筆頭が便秘です。母乳のみの場合には2日に1度の排便でも仕方がないのですが、離乳食を与えていたり粉ミルクで授乳しているゼロ歳児で便通が1日に3回以下の場合、特に縦に抱くと泣き止む傾向の赤ちゃんでは水分不足やその他の原因で便秘が起こっている可能性を疑われますので、小児科医で御相談下さい。

 次にサーカディアンリズムといわれる体内時計の問題が有ります。これはヒトという種が確立した時代の地球の自転が今よりも早く24時間無かった為に生じ、時刻合わせは早朝明るくなる時にされると言われています。普通の屋内照明ではセイゼイ数百Lx(ルックス)なのに比べ、曇りの日でも屋外の明るさは千Lxを軽く超える為、カーテン越しで構いませんから朝日が見える位置に寝かせ、天井の照明は完全に消してみて下さい。尚、寝ている赤ちゃんの目に入らない壁面の低い位置の小さな常夜灯は構わないでしょう。

 その他の原因としても種々ありますが、昼間騒々しい所に外出したりテレビの前に長時間居た夜に、昼間の情報をシャッフルして記憶に残すか取捨選択して夢として認識されるREM睡眠期に、悪夢として泣いている事が有ります。2時間おきとかの周期的な夜泣きの場合には疑ってみても良いでしょう。