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やけどどうしよう

 冬になると暖房器具や湯沸器など、身近に熱湯を使う機会が多くなります。家庭でのやけどの原因の50%は火事、30%は熱湯によるものといわれていますが、石油ストーブやガソリンスタンドでの火、煙草等、身の回りには不注意によるおおやけどの原因になるものがたくさんあります。

 やけどした場合、その痛みのために実際のやけどの程度を大げさに考えたり、逆に案外元気なので軟膏で自分勝手に処置したままですますことがあります。しかしやけどした人の年齢、部位(とくに気道や肺)、受傷した皮膚面積、その後の合併症によって病態はさまざまなので色々な因子を総合判断する必要があります。ただちに医師の治療を要する場合の目安をあげてみましょう。

 成人の場合体表面積の15%以上、小児の場合10%以上で皮が剥がれたり、筋肉層に及ぶやけどは急を要します。

 熱い有毒ガスや煙の吸入を伴って、気道まで及んでいる熱傷。顔、手、足、臀部、会陰部など日常生活に重要と思われる部分の熱傷。範囲の広さや大きさに無関係に筋肉や骨が露出しているような深い熱傷。お年寄りや乳幼児の熱傷。受傷面積、熱傷の深さ、熱傷を受けた部分などで重症度が変わること、また年齢によってその結果が大きく変わることが熱傷の特徴です。治療方針の決定はやはり外科、皮膚科、麻酔科などの総合力が必要とされ、専門医の加療が必要であることはいうまでもありません。

 やけどしたらまず慌てずに、その原因となっているアイロンや湯沸器の電源を切るなど、原因を除去して下さい。身体を覆っている衣服をすぐ脱がしましょう。火がついていたらもみ消し、熱湯や油がしみこんでいる場合はハサミなどで切り取って下さい。ただ皮膚についてしまっている場合は無理にはがすと傷が拡がります。水道の流れなどで15分程度患部を冷やしましょう。その間に救急車を呼んで下さい。もし水疱ができていたら、なるべくつぶさないようにしましょう。

 清潔なガーゼで覆って、ビニール袋に氷を包んで冷し、痛みをやわらげて下さい。醤油、バター、アロエ、市販の軟膏などは決して塗らないようにして下さい。その後の正しい治療の妨げになることが多いからです。自己流の治療はつつしんで下さい。