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子宮がん

 死亡原因の第一位はがんであり、そのがんで死亡する人は年々増えています。しかし、子宮がんだけは毎年減っています。それは子宮がん検診を受ける人が増え早期に発見される人が多くなったためといわれます。

 子宮がん検診は他に比較して簡単にでき、またがんの発生場所が子宮の入口に出来るいわゆる子宮頸がんが多く、がん細胞を発見しやすいため効果を上げています。子宮がんは、進み具合によってゼロ期から4期まであります。子宮がん検診で発見されるものの50%ががんの早期ですから、メスで切り取ったりレーザーで焼くだけで完全に治ります。1期というのはがんが子宮の入口に限局するものを言います。1期の始めはゼロ期と同じく考えて良いのですが、1期の終わりはがん細胞の転移がおこるので、手術では子宮と囲りのリンパ腺を取る必要があります。がんの症状は早期にはありません。2期の終わりごろになるとセックスの後に出血がみられると言うぐらいです。しかし、この時期までに発見されれば経過は良好です。

 更にがんが進むと3期です。この時期にはがんは子宮の周りに進むので腹が重くなります。また、褐色や赤黒いおりものが出ます。更に進むと4期でがんは骨盤・直腸・膀胱に転移をし、はじめて痛みが出てきます。しかし、これはもうがんの末期の状態で、この時になってがんと分かっても助かる確率は少なくなります。この様に症状が出てからの検診ではある程度進んだ状態でみつかるわけですから、何も症状のない時の検診が一番良いわけです。

 子宮がんにはもう一つ子宮の中に出来る子宮体がんがあります。これはほとんどの場合月経以外に出血する不正出血がおきますので、これを見逃さず体がん検診を受けて下さい。子宮がん検診は30才以上になったら一年に最低一回、出来れば二回受ければ安心です。そして色のついたおりもの、また不正出血のあった時は必ず検診を受けて下さい。