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アレルギー性鼻炎

 朝起きて鼻がむずむずすると、くしゃみが出て水っぽい鼻水がとまらなくなり、鼻がつまってきます。時にはノドがヒリヒリするため、風邪にかかったように感じますが、この症状が一週間以上も続くようでしたら、鼻のアレルギーではないかと考えて下さい。

 アレルギー性鼻炎の診断は、水っぽい鼻水をとって、顕微鏡検査で好酸球という細胞を認めたら確定です。さらに原因と思われる抗原を皮膚の検査で調べます。15分後に赤くはれてきたら陽性です。もっとも多いのはハウスダストつまり家のゴミです。この中の家ダニがアレルギーをひきおこすと考えられています。またエアコンや冷蔵庫に潜むカビもアレルギー性鼻炎の原因になります。これらは年中症状を起こすため、通年性アレルギー性鼻炎といいます。これに対し、特定の時期にのみ症状がおこる季節性アレルギー性鼻炎もあり、その代表が花粉症です。花粉症で最も多いのが2月から4月に起こるスギ花粉症です。その他にも5月はマツやヒノキ、5月から6月にかけてカモガヤ、8月から9月にかけてブタクサ、ヨモギなどがあります。

 治療は抗ヒスタミン剤をはじめとする抗アレルギー剤の内服、ステロイド点鼻があります。抗ヒスタミン剤はくしゃみ、鼻水には優れた効果がありますが、眠気を伴うことがあります。他の抗アレルギー剤やステロイド点鼻はくしゃみ、鼻水だけでなく鼻づまりにも効果がありますが、やや即効性に欠けます。このように長所・短所があるので、外来では患者さんの症状にあわせてこれらの薬剤を組み合わせて処方されます。市販の点鼻薬には鼻づまりをとるものがありますが、長期使用により依存性やリバウンドの副作用が起こりますので、注意が必要です。

 上記の治療でも効果が得られない場合、手術療法が選択されます。手術では主にアレルギーをおこす鼻粘膜を切除したり、レーザーで焼く ( アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療について の項を参照) ことによりアレルギー反応をおこしにくくすることができます。

 アレルギー性鼻炎を長期に放置した場合、気管支喘息をも発症してしまうことがあると報告されていますので、きちんと治療をしておくことが必要です。日常生活ではハウスダストのアレルギーの場合、床の掃除をする他、フトンにもよく掃除機をかけてください。フトンをほした時は、家ダニはフトンの裏ににげてゆきますので、そこも充分に掃除してください。さらに寝室や居間にエアクリーナーを置いてください。これだけの注意でも、アレルギーの進行を予防することができます。

 

(最終更新日 2011/2/21)