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口内炎

 口内炎とは口の中の粘膜に起きる炎症を指しています。そのなかでも口唇や舌、それに頬や歯肉の粘膜に直径5mm以下の小さな円形の潰瘍で、滲み出た組織液によって白い斑点となり、その回りが赤く腫れている状態をアフタと呼んでいます。このアフタのできる口内炎には急性と慢性の再発性のアフタがありますが、いずれも数個できるだけです。食事のとき、辛いものや塩辛い食べ物がしみて食欲をなくしてしまいます。たいていは一週間ほどで治りますが、男性よりも女性に多く見られ再発することがあります。現在のところ原因は判っておりません。これに対して小児に多いヘルパンギーナは発熱を伴って口の中全体にいくつものアフタが出来るのが特徴です。

 そのほかでは日本に多い難病で、30歳前後の成人に発病するベーチェット病というのがあります。これは口の粘膜が直径1cmほどにえぐれた大きなアフタが出来るのが特徴です。さらに目や外陰部の粘膜に炎症が認められるのが典型的な症状ですが、初期には血液検査でも診断が難しくて、症状の経過を見ていかなくてはならないことがあります。アフタ性口内炎の原因は、今なおよく分かっていません。口の中のウイルスや細菌、アレルギーや免疫の働きの異常、食事の時に舌や頬の粘膜をかんだり、硬い食べ物や入れ歯で粘膜をひっかいたりしてできる傷が誘因として考えられています。

 治療としてはステロイドの軟膏や円形のシールのような貼り薬を用います。いずれも粘膜への接着性がよいので食事の後に、殺菌性のあるうがい薬でよくうがいをしてから、貼るようにしてください。これらは少量使う分には、ステロイドの副作用の心配はありません。ビタミンのBやCの補給は過剰にとらないかぎりは良いでしょう。疲れたときやストレスが溜まった時に出やすい人もいますので、疲労やお酒の飲み過ぎを避けることも大切です。