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水泳と耳鼻科の病気

 学校検診では、耳鼻科においてもいろいろな病気を指摘されることでしょう。学校の水泳の授業は学童にとっては全身運動であり、心と体を鍛えることのできる心躍る楽しいスポーツの一つです。そこで水泳に際してはどのような点に注意したらよいかお話ししましょう。

 「耳垢栓塞(じこうせんそく)」は外耳道に耳垢(みみあか)が詰まっている状態ですから、そのままにして泳ぐと耳の奥に入った水が溜まったままになり、外耳道炎や外耳道湿疹を起こすことがあります。耳垢を無理にとろうとしますと、かえって外耳道炎や鼓膜を破ったりするこがあります。耳垢は家庭ではきれいにはとれないものだと理解してください。

 「急性中耳炎」は急性期を過ぎて耳だれがない場合には泳いでもよいでしょう。「慢性中耳炎」は鼓膜に穴が開いていて、耳だれが出ている時は、まえもって耳の治療を受けてください。

 また「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」において鼓膜に換気チューブを留置している場合、水を通さないシリコンゴム製の耳栓が市販されていますから、いずれの中耳炎においても、それを使用して、さらに脱落しないようにスイミング用の帽子を併用してください。

 なお飛び込んだり、潜水をしますとその圧力で水が中耳腔に入って急性中耳炎になることがありますから、出来るだけ避けてください。

 「急性鼻炎」は風邪でなりますから、熱があったり、ノドが痛かったり、咳がでているときは泳いではいけません。症状がきえ、主治医の許可をえてからにしましょう。学校のプールの水は塩素濃度は低めに設定されていますので、「アレルギー性鼻炎」は泳いでよいでしょう。鼻水や鼻づまりがひどくなるようでしたら鼻の治療を受けてください。

 「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」は膿っぽい鼻がでているときは、プールの水を汚すことになりますから、必ず泳ぐ前に鼻の治療を受けてください。また泳ぐ前は鼻をよくかんでください。