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鼻に異物が入ったら

 幼児から小児にかけては、身のまわりにある物になんでも興味を持つようになります。1歳前後では、床に落ちている硬貨や小さなおもちゃ等を口に入れるようになりますが、少し年長になるにつれて、鼻や耳の穴に小さい物を入れることがあります。

 鼻に入れるもので多いのが丸めた紙とか、ビー玉、小さなおもちゃ類や豆類です。鼻の異物は初めなんの症状もありませんが、そのうちに悪臭のある鼻汁が出たり、鼻がつまって鼻や息が臭くなったり、時には血の混じった鼻汁が出たりします。丸い異物は時には鼻の中にあることが判ることがありますが、家庭にあるピンセットで摘もうとするとスルッと滑って異物を鼻の奥に入れてしまったり、豆類は中でふやけてしまい、崩れてしまって異物除去をさらに困難にすることがあります。これらビー玉や豆類は次第にとりにくくなって、時には無理にとろうとすると口腔に落ちて、次いで気管に入り気道異物になることがあります。そうなるときわめて危険です。

 紙類は時には仰向けに寝て、電気スタンドを用いて鼻の中が十分観察できるならば、やや太めのピンセットを使って取ることができます。しかし、十分な頭部の固定ができないと、いやがって頭を振ったり、体を動かしたために、粘膜を傷つけて出血したり、さらに異物を奥に押し込んでしまい異物除去をさらに困難にすることもあります。従って、頭を固定する人、体を固定する人、それに異物をとる人が必要となるので、耳鼻科の受診をお勧めします。当然異物の入っていた鼻の中は荒れていますから、局所的に抗生剤入りの軟膏を塗り、さらに抗生剤を飲まなければならなくなります。このように、大人が注意深く観察することで、早期に鼻の中の異物を発見できます。

 

(最終更新:2018.9.21/東山佳澄)