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遠近両用コンタクトレンズ

  日本でコンタクト・レンズが一般に使用されるようになって、40年余りが過ぎました。種類が増え、価格も下がったこともあって、現在では全国で約1,600万人がコンタクトを使用していると言われています。

  かつてはコンタクトというと若い人が使うものというイメージがありましたが、その歴史が長くなるとともに年配の方でも使用している方が増えてきました。そこで問題となるのが老眼への対応です。誰でも40歳半ばを過ぎると老眼になってきます。一般にコンタクトは遠くがはっきり見えるように度数を決めます。しかし老眼になると、そのままでは近くがはっきり見えません。そこで近くを見るときには、コンタクトの上から老眼鏡をかける必要が生じます。ところが、コンタクト使用者の中には職業上メガネをかけられない方もおり、遠近両用コンタクトの開発が待たれていました。30年近く前から一部のメーカーがすでに遠近両用コンタクトを販売していましたが、ここ数年の間に大手メーカーが次々と発売に踏み切り、2週間で使い捨てる頻回交換タイプや毎日交換タイプも登場し、俄然注目を集めるようになりました。

  遠近両用コンタクトでは、素材やケアの方法は従来のコンタクトと何ら変わりませんが、度数の入れ方に工夫がなされています。遠近両用にするには、遠く用と近く用の複数の度数を1枚のレンズに組み込まなくてはなりません。それには大きく分けて2通りの方法があります。ひとつは交代視型と言って、メガネと同じように中央に遠く用、下方に近く用の度を入れ、回転しないように細工をする方法。もうひとつは同時視型と言って、中央から交互に遠く用、近く用の度を入れる方法です

  交代視型ではメガネと同様、近くを見るときに下目使いをしなければなりませんが、メガネほど意識することはないようです。同時視型ではその必要がなく、見たいものへ目を向ければすむので使いこなしは簡単です。ただし、同時視型は全体にややピントがあまく見える傾向があります。したがって処方を受ける際には、仕事や日常生活でどのくらいの視力が必要か、医師と相談の上、種類や度数を決めていくことが大切です。

 

(最終更新日:2010/1/28)