スマートフォン版へ

  1. HOME
  2. 健康ファイルボックス
  3. 眼科
  4. 近視

健康ファイルボックス

近視

近視

 近視、遠視、乱視を総称して屈折異常と言います。それぞれ言葉は知っていても、正確な内容を理解されている方は少ないようです。そこで、今回は近視のお話です。

 ヒトの目は眼球の中に入って来る光の刺激を、眼球の最も内側にある網膜という場所で感じ取ることによってものを見ています。最終的には網膜で感じ取った刺激が脳の中の視覚の中枢へ伝えられて、「見える」と感じます。

 ものがはっきり見えるためには、眼球に入ってきた光が網膜で焦点を結ぶことが必要ですが、近視の眼では網膜よりも前で焦点を結んでしまうために、ぼやけて見えてしまいます。この場合、遠くのものほどぼやけて見えるはずです。しかし、メガネやコンタクト・レンズで焦点の位置を後ろへズラしてあげれば、はっきり見ることができます。

 近視の原因は現在のところ明らかにされてはいませんが、一般に体の成長に伴う変化として、眼球は近視化すると考えられています。身長が急激に伸びる小学校高学年から中学生にかけて、近視になる人が多いことからもこのことは理解できるでしょう。近くのものを続けてみること(近業)が近視の原因であるとする説が、わが国ではかつて強く支持されていました。そのため、未だにテレビやテレビ・ゲームを原因とするような考えを持っている方が少なくありません。しかし、近業原因説は科学的に証明されたものではなく、近年では否定的に考えられています。

 いろいろな民間療法の広告を目にしますが、近視を予防することはできませんし、手術以外の方法で治すことはできません。見えにくくて不便を感じるようであれば、メガネやコンタクト・レンズではっきりと見えるようにするのが唯一の方法です。矯正の方法は年令、近視の度数、生活環境などによって異なってきますので、必ず眼科医と相談の上、適正なメガネ、コンタクト・レンズを作るようにしてください。