
最近、外国製の安いフレームを大量に仕入れて、安い価格を売り物にする眼鏡店が話題になっています。いわゆるディスカウント・ストアで販売される他の商品と同様に、原価や流通にかかる費用を低く抑えて、かつ薄利多売をしているわけです。従来、メガネはどちらかと言えば高価なものという印象がありましたから、安売り店に消費者の目が向くのも当たり前かも知れません。元の値段が安ければ当然売り値も安くなるわけで、このようなお店のメガネが必ずしも粗雑なものとは言えません。
メガネで大事なことは、度数や見え方が使う人の目的にあっているかどうか、そして決められたデータ通りにレンズがフレームにはめ込まれているか、さらにフレームがその人の顔にフィットしているかどうかです。
では適切なメガネを作るにはどうしたらよいのでしょうか。まず、眼科医を受診し通常の視力検査をはじめとする検査を行い、目に異常がないかどうかを確認してもらいます。老眼の場合には、近くの視力も測定します。その上で、使用する目的、仕事、生活環境等を考慮しながら度数を決めていきます。単に見えるからといってその度数が最もよいとは限りません。例えば、デスク・ワークの多い近視の方なら、近くが楽に見えるようにわざと弱めの度数にすることもあります。初期の老眼の方では、老眼鏡を作るべきかどうかも考えなければなりません。そして、適正と考えられる度数のレンズを実際に使用してみて、かけられるかどうか、さらに満足できる見え方かどうかを確認してから、そのデータを処方箋に書いてもらいます。ここまでは眼科医が行います。
これから先が眼鏡店の仕事になります。作るメガネの種類と使う方の顔立ちや好みにあったフレームを選び、眼科医の書いた処方箋の通りにレンズをカットしてフレームにはめこみます。最後に、使う人の顔に合わせて鼻や耳にかかる部分のあたり方を調整します。最近のフレームは軽い素材のものが多いのですが、その重量が一点に集中するとやはりかけ心地は悪くなります。この最後のフレーム調整が眼鏡屋さんの腕の見せ所になります。
しかし、現実には眼鏡店ですべての過程を行い、眼科医の関与しない形で作られるメガネも少なくありません。それらの中には不適正なものがあり、眼精疲労の原因になっていることもあります。また、必要のない種類のメガネを作ってしまったり、目の病気が見逃されていたりする例もあります。
「見えにくいな」と思ったら、まず眼科医を受診し病気のないことを確かめた上で、目的に合ったメガネの処方箋を書いてもらい、それを基に眼鏡店でメガネを作るようにしましょう。