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裸眼視力と矯正視力
一口に視力と言っても測り方によっていくつかの種類に分けられます。その中でもよく耳にするのが裸眼視力と矯正視力ではないでしょうか。
裸眼視力とはメガネやコンタクト・レンズを使用しないときの視力のことです。矯正視力とはメガネやコンタクト・レンズを使用したときの視力です。さらに眼科では、その目が能力を最大限に発揮できるようなレンズを使用したときの矯正視力を測定します。
一般の方は裸眼視力を大変気にされますが、裸眼視力が0.1未満でもメガネをかければよく見え、何の病気もないという人は皆さんの周りにもたくさんいるはずです。裸眼視力だけではその眼が近視か遠視か、乱視があるのか、何か病気があって視力が障害されているのかどうか、何もわからないのです。唯一、成人で裸眼視力が1.0以上あるときに、病気で視力が障害されていないと言えるだけです。
一方、眼科医は矯正視力を問題にします。矯正視力が1.0以上あれば、病気で視力が障害されていないことが確認でき、裸眼視力が低下しているのは屈折異常、すなわち近視、遠視、乱視のためだと言うことができます。さらに、適切なメガネやコンタクト・レンズの度数を知ることもできます。もし、矯正視力も低下していれば何らかの病気を疑って検査しなければなりません。このようなことから、眼科では視力というと矯正視力のことを言うのが一般的なのです。
とはいえ、一般の方は裸眼視力を視力と言うことが圧倒的に多いのは事実で、そのためにしばしば誤解が生じます。今後、眼科で矯正視力を確認することの重要性を皆さんにきちんと理解していただけるよう、眼科医も努力してゆく必要があるでしょう。
(最終更新:2018.9.21/田辺由紀夫)