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コンタクトレンズ検査料とは

 私たちが医療機関にかかる際にはたいていの場合、保険証を持参し保険診療を受けることになります。わが国の医療保険制度では、検査や手術、薬剤等に対して全国一律の価格を決めています。そして、受けた検査や治療の合計のうち各自の負担割合(現在は多くの場合3割)に相当する金額を窓口で支払うわけです。

 コンタクトレンズを作ろうという場合にも眼科で視力検査などいくつかの検査をするのですが、従来は行った個々の検査の合計金額のうち各自の負担割合分を支払っていました。しかし、次のような背景と経緯によりコンタクトレンズに関わる検査料を定額制にすることになったのです。

 コンタクトレンズ量販店のレンズ価格値下げ競争が激化し、レンズの販売ではほとんど利益があがらない状況になってきたため、1990年代半ばから隣接した診療所での保険診療による報酬で利益を補填するという方法が、ビジネス・モデルとして注目されるようになりました。当初は一部の診療所でしか行われていませんでしたが、営利を優先する施設では徐々にこの方法をとるところが多くなり、それが国の医療財政を圧迫するほどになってきました。きちんとした検査をしてその分だけ検査料を請求しているのならまだいいのですが、このような施設では不正請求を指摘されかねないような例が少なくないと言われています。

 そのために、2006年4月より保険診療で行える検査をひとまとめにして検査料を定額にしたのが「コンタクトレンズ検査料」なのです。

 2016年4月から「コンタクトレンズ検査料」は、コンタクトレンズ処方数や医療機関の要件により4段階に分かれています。最も安価な場合以外は、管轄の厚生局(厚労省の下部機関)への届出・承認が必要になります。

 また、白内障、緑内障、糖尿病網膜症、円錐角膜などこの検査料が適用されない病気もあります。わからないことがあれば、受診施設で尋ねてみるとよいでしょう。

 

(最終更新:2018.9.21/田辺由紀夫)