保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

健康ファイルボックス

病気や健康に関する知識をお届けします

TOP > 健康ファイルボックス > 皮膚科 > 水虫注意

水虫注意

 水虫はカビ(真菌)のなかまの白癬菌が足の皮膚の角膜層について、増えて水ぶくれや皮がむけた皮膚病のことをいいます。正式な病名は足白癬または汗疱状白癬です。

 この白癬菌の栄養分は角質層のケラチンという蛋白質ですから、菌は皮膚の表面にしかつきません。従って、皮膚の中までは入りませんが、頭の先から足の裏までどこにでもつきます。もちろん爪や髪の毛にもついて爪が白く濁って厚くなったり、髪の毛が抜けたりすることがあります。

 さて、水虫の話にもどりますが、症状は水ぶくれ、皮がむける、かゆみなどです。ただし、かゆみはないこともあります。注意しなければならないのは、赤く、はれて痛みがでてきた時です。これは水虫だけでなく、さらには細菌が入り、化膿した状態なのです。

 もっと進むと、リンパ管炎といって、ふとももの付け根まで痛みがきて、熱がでることもあります。場合によっては入院が必要となります。次に、水虫の診断、治療、経過、日常生活上の留意点について話します。

 皮膚の皮のむけたところを少しとって、顕微鏡検査で白癬の菌糸をみつければ診断はつきます。ただし、検査の前に薬を付けてこられると診断できない場合がありますので気をつけて下さい。治療は塗り薬が中心ですが最低3ヶ月は塗る必要があります。なかには爪の水虫のように飲み薬を必要とすることもありますので注意してください。最近ではよく効く薬が開発されていますが、水虫のやっかいな点は良くなっても、何度も繰り返すことです。したがって、根気よく塗ること。また、水虫は高温多湿を好みますから足をよく洗い、乾燥した清潔な状態を保つことが必要です。なお、バスマットやスリッパなど共有するものから水虫はうつりやすいと言われていますが、要は本人が足を清潔に保てば簡単にはうつりません、これから夏にむけて、水虫は増えてきますが、一番気をつけていただきたいのは、あかく腫れて痛くなるまで放置しておかないことです。