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うがい薬

 近年、口臭予防を中心とした口腔の健康に人々の関心が高まっています。うがい薬をはじめ、歯磨き剤、ガム、サプリメントまで口臭予防機能を持つ薬品類が数多く開発、市販されています。

 「うがい」そのものの目的は大きく2つに分けられます。人ごみや埃っぽい場所から帰宅した時やノドが痛む時に感染予防や治療のためにする「ガラガラうがい」と、食後などに歯や口の中を清潔にするための「ブクブクうがい」です。いずれも、水で行うのが基本ですが、ヨード系や色素系の成分を含んだうがい薬も有効です。最近、特に種類が増えているのが「ブクブクうがい」の薬です。以前から「水ハミガキ」と呼ばれる、希釈して用いる「うがい薬」があり、清涼感が好まれて使われてきましたが、効果は限られており一般的ではありません。  

 現在では歯と口の病気の大部分が「歯垢」と呼ばれる多糖類の細菌の塊が原因であることが明らかとなりました。この歯垢を取除き易くするために、歯ブラシによる歯磨きの前に使用する「うがい薬」や歯磨き剤の代わりに使う、殺菌作用を持った「液体ハミガキ」などが市販されています。その他に、エチケット主体の口臭予防を目的としたうがい薬は、好みの味と香が選べる嗜好品として多種類が市販されていますが、口臭予防効果はうがい薬を使用した後の一時期に限られます。歯ブラシで細菌の塊である歯垢を除去する、プラークコントロール以上の効果はなく、補助的なものと考えましょう。

 これらとは異なり、明確な目的を持つ「うがい薬」に、口の中の傷や歯を抜いた後などに殺菌作用を期待して使用される「うがい薬」があります。消毒殺菌効果のある成分が相当量、含まれているため、医師や歯科医師が処方する「うがい薬」は用法、用量をはじめとする注意事項を守り、正しく使用する必要があります。市販の「うがい薬」も自分の目的と好みに合った製品の使用説明書をよく確認し、安全に使用してください。

 

(最終更新日:2010/02/01)