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セラミックスを用いた歯科治療

 最近よく耳にする言葉に「セラミックス」という名前があります。自動車のパーツや、はさみ等の刃物に使われる他、ポーセレンという名前で呼ばれて歯科の分野でも広く使われている材料です。

 元来,セラミックスとは金属でもなく、プラスチックのような高分子材料でもないものの総称です。広い意味ではガラスやセト物もセラミックの仲間に含まれます。

 歯科治療で用いられるセラミックスには性能を強化、改良したファインセラミックスや造形が自由なキャスタブル・セラミックスなどが使われます。非常に硬く,磨り減りや錆びに強く,熱にも耐え、アレルギーの原因になりにくい等多くの利点があります。

 反面、強化されたとはいえ、衝撃に弱い、すなわち割れたり欠けたりするという危険性と、やや硬すぎること、細工が難しいことなどが欠点と言えるでしょう。これらの歯科治療に都合の良い特性に加えて歯の色や質感を比較的忠実に再現できることから、より要望のレベルがが高まる、審美性の高い歯科治療にとっては不可欠な材料です。

 セラミックスはそれ単独で用いられるばかりでなく、プラスチックなどの材料と組み合わされて使われます。光をあてると固まるプラスチックとセラミックスの細かい粒を合わせた材料を用いる虫歯治療もすでに 20年以上の使用経験があり,性能も徐々に改良されてきています。ここ10年で実用化の進んだハイブリッド・セラミックスという材料も期待されています。歯の変色や形の不正に対処する審美歯科と並んで注目を集める、歯科の金属アレルギーに対応する治療や人工歯根(インプラント)の素材としても期待されています。ただし健康保険の適用にならない治療内容が主で、細工も難しいために高価なことが欠点です。詳しいことは歯科医にご相談下さい。

 歯科以外の(一般)医療の分野では人工の骨や関節など利用価値はより広がりを見せています。身の回りの道具や品物に使われる頻度も増えてきましたので注目して下さい。

 

(最終更新日:2010/02/12)