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噛むことは肥満防止
生活習慣病予防の流れの中、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に対処するために、いろいろなダイエットに注目が集まり、行われています。そこで、食べ物をよく噛んで食べると肥満を防止する効果があるという事実が注目されています。
食べ物をよく噛んで食べると消化がいいという事実をよく耳にしますが、これに加えてよく噛んで食べると太らないという大切な効用があるのです。消化がよいということと太らないということは一見、相反する事柄のようですが、体の働きとしては矛盾していないのです。
食べ物をよく噛んで食べると栄養分の吸収が早くなり、血液中の糖の濃度も早く上昇します。その情報が脳に伝えられると脳は"もうお腹がいっぱいです"という指令を出すのです。反対に噛まずに急いで食べるといつまでも満腹感が得られずに食べすぎてしまうのです。
また、噛む力という刺激自体を歯の周囲のセンサーが感知して、これを脳に伝えて満腹感を感じさせるという働きも考えられます。
よく噛む食べ方は消化が良いというほかに、噛むことにより味覚や歯ざわり歯ごたえ等の刺激が脳に伝えられ、続いて神経とホルモンの作用で体のエネルギーの消費が活発になると言われています。食べているときや食べた後に体が暖かくなる事実がこれにあたります。
この発熱は栄養素の種類により異なりますが、食べ物として取り込んだエネルギーのうち、脂肪では70%、パンやゴハン等の炭水化物では10%、肉や魚などのタンパク質では30%までもが発熱というエネルギーとして消費されてしまいます。軟らかい食品や飲み物によって噛む回数が減ると、この反応全体が小さくなり、発熱として消費するはずのエネルギーが体内に蓄積されるため肥満につながるといえます。
早食いで食べ物を噛まずに飲み込んでいるような人に、太っている人が多いようです。ゆっくりよく噛んで食事をとることが、毎日手軽にできて安全確実なダイエット法ということができます。
(最終更新日:2010/02/12)