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歯の破折

 歯肉が腫れて膿が出る、歯を咬み合わせると痛む等の症状は虫歯や歯周病が悪化して出る症状です。歯科医にかかると、いろいろな方法、治療を試みてくれますが、それらの治療がなかなか効果を現さない場合があります。

 こんな時に、原因として疑われるのが歯の破折です。歯の破折といっても外からの力で歯の口の中に見えているところが割れたり、欠けたりした場合には、誰にでもその状況が目に見えるので診断の難しさはありません。しかし、歯肉や歯を支えている骨の内側にある、歯の根の部分で横に折れたり、縦に割れたりすることもあります。

 さらには、割れるまでには至っていないものの、縦に部分的に入った亀裂等の場合にはX線写真を利用して調べても確認することが出来ません。歯の亀裂は目をこらさないと見えない程の細い裂け目ですが、バイ菌にとっては絶好の繁殖場所となり、原因のわかりにくい感染症の症状を起こすもとになります。

 歯の破折の原因は何でしょうか。正常な歯でも構造上の欠陥として小さなヒビをたくさん持っています。しかし、これは歯の健康にとっては障害とはならず、やはり原因の大部分は外から加わる力ということになります。当ったり、ぶつかったりという大きな衝撃力はそれだけで歯の破折の原因となります。これと同時に注意が必要なのは、氷やアメなどを咬みつぶす時の「ガリッ」という力です。不用意に梅干しの種子などを咬みつぶすのも止めましょう。

 食事や歯ぎしりなど、普通の日常で歯の咬み合わせる様な小さな力でも、繰り返しかかる力はヒビや亀裂の原因となります。人工的に造る冠やつめ物も相手の歯との当たり方を適正に考慮したものでないと破折の危険度が高まります。ここで注目したいのは、神経の生きている歯の方が亀裂や、ヒビは入りにくく、それに比較して神経を取ってしまった歯は、その後の経過時間が長くなるに従って破折の危険度がより高くなります。

 原因のハッキリしない歯の痛みが続く場合には歯の破折の可能性もあることを知っておいて下さい。

 

(最終更新日:2010/3/26)