
歯科技工士という職業をご存知でしょうか。歯科技工士は主に患者さんの口の中に入る金属の冠や差し歯、取りはずし式入れ歯などを作る専門職です。治療のために訪れる歯科医院で接する、歯科医師をはじめとした歯科衛生士、受付などの医院スタッフは異なり、普段患者さんと顔を合わせる機会は稀です。基本的な歯科技工技術は歯科医師も習得してはいるものの、現代の歯科医療の流れでは直接患者さんと接することが必要な部分を業務を歯科医師が担当し、歯科医師の指示にしたがって実際に義歯等を製作するのが歯科技工士の業務というように、守備範囲がしっかりと二分化されつつあります。
歯科医療という舞台の大道具、小道具さんといった裏方的存在ですが、一定の品質や正確さを保ちつつ、効率よく歯科技工物を製作し治療を進めるためには必要不可欠な専門技術職といえるでしょう。
歯科技工士になるには主として歯科技工士養成のための学校を卒業後、歯科技工士国家試験に合格しなければなりません。細かな手作業が主となり器用さ、根気、観察力なども要求されます。近年の歯科医療の進歩とともに歯科医学周辺の高い知識も求められています。 資格を得た歯科技工士は歯科医院や病院歯科にスタッフとして勤務する場合や歯科医院からの依頼に沿って技工物を製作する大小の歯科技工所を経営したり、そこに勤務するのが一般的です。その他には専門技能や知識を生かして歯科機材メーカーの研究開発、営業、サービス等の各部門で働くことや、技工士養成機関での教育に携わる等の道があります。歯科技工士が患者さんと直に接するのは、前歯を作る時の色合わせの時ぐらいと限られていますが、これからは患者さんも加えた歯科医師や医院スタッフ等、歯科医療全体の中でコミュニケーションを深めて、より身近な存在となることが望まれています。
(最終更新日:2010/3/26)