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種類が増えた電動歯ブラシ

  家庭電化製品の一つとして認められた電動歯ブラシですが、最近、種類も増えて注目度が高まっています。

  歯みがきは手をいろいろな角度で小刻みに動かさなくてはならないので、これを機械化できたら、という考えは以前からありました。近年、モーターの小型化技術や充電バッテリーの進歩により、実用に十分な形と性能が得られるようになりました。普通の歯ブラシと同形でローリング動きや振動動きをするものが一般的でしたが、丸いブラシが回転するものや、何列か植えられた毛の束がそれぞれ回転するもの等に次いで、音波や超音波振動を利用するものやそれらを組み合わせた製品など、種類が増えました。どれが最良かは確かではありませんが、今回は超音波振動歯ブラシを中心にお話しします。

  電動歯ブラシの良いところは何と言っても疲れないことでしょう。これは高齢者の方には見逃せない利点で、つい短くなりがちなブラッシング時間を延ばすことになります。能率の良さも大きな特徴です。同じ3分間歯みがきをするならば電動歯ブラシの清掃能率が良いようです。しかし細かいところまで、より完全に歯垢<しこう>を取り除こうとしたり、歯並びが悪い方、歯槽膿漏で歯と歯の間が大きく開いた方などでは手でブラシを動かした方が能率も結果も良いようです。

  超音波または音波振動を主な作動原理とする電動歯ブラシでは、歯ブラシ全体が動かなくても、目的とする歯と歯の間や歯肉の境目に上手く毛先を当てるだけで清掃効果が得られます。このタイプの電動歯ブラシに大きな欠点は見当たりませんが、毛先を歯に押し当てる力や向きで効果が変わりやすいので、かがみを見ながら慎重に使用する必要があります。加えて、機械本体の売り値がやや高価なのが難点です。

  回転型や一般の振動型ではブラシが歯を擦りすぎる欠点があります。1分間に2000~3000回も振動するので、歯の磨耗という弊害に注意が必要です。電動歯ブラシはまだ改良の余地がありますが、目的を限れば有効です。しかし手動の歯ブラシに取って代わるものではないので、過信せずに歯間ブラシやデンタル・フロスなどの補助清掃用具と併せて、有効活用して下さい。