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舌(ぜつ)がん・口腔がん

 口の中にできるがんを口腔がんと呼んでいます。上アゴの歯肉、下アゴの歯肉、口蓋部や頬の裏側等あらゆるところにできますが、その中でも特に頻度が高く、口腔がん全体の半数以上を占めているのが舌がんです。舌(ぜつ)のつけ根や、その周囲にできることも多く、これをがんに含めればその割合はさらに高くなります。

 舌(ぜつ)がんに限らず、口腔がんでは患部が不定形に盛り上がるもの、カリフラワー状になるもの、板状に硬くなるもの、中央がえぐれて潰瘍を作るものなどがあり、これらの病変をみつけたら注意が必要です。

 腫瘍には悪性のがんばかりでなく、良性のものもあります。これらのがんに似た形の腫瘍や病変は、不具合な入れ歯や虫歯で欠けた歯等による外傷や単純なイボのように原因を取り除いたり、外科的に切り取ってしまえば跡も残さず治ってしまう病気がほとんどです。しかしこれらの病変を長期間放置したり、繰り返しているとがんに変化してしまうという報告もあります。又、口腔内には白板症という病変に代表される前がん病変というものがあります。これは数年を経過して悪性化する率の高い病変でがんそのものと同様に早期発見、早期治療が重要です。明らかにがんであるとしても、早期治療であれば、口腔がんの5年生存率はかなり高い割合を示していますので、前がん病変と同様に早期発見、早期治療が効果的です。

 治療方法としては外科的に病変部を切除することが主体となりますが、放射線療法や薬物療法、またはそれらの併用などが行われています。この場合でも早期発見ができれば、外科的な切除に伴う機能障害や審美性の欠点も小さくとどめることができるので有利です。いずれにしても、自分で良性と悪性の区別をすることはできないので、少しでも心配な症状や病変ができたらばなるべく早く専門医の診察を受けて下さい。