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高齢者こそ日常の運動を

 一般に青年期ころまではいろいろなスポーツをしますが、壮年期や高齢期になると運動する機会が少なくなってしまいます。特に、年をとると日常の運動から離れてしまいます。

 ヒトは年齢を重ねると共に、からだ全体が衰えます。特に筋肉が衰えるといろいろな事故のもとにもなります。従って、高齢になればなるほど日常の運動をし、必要最小限の体力をつけておいた方がよい訳です。

 ではどのような運動をしたらよいでしょうか。無論、過激な運動はできません。そこで誰にでも出来る運動としてウォーキングがよいでしょう。ウォーキングは決められた服装はなく、自分の好きな時間に、マイペースで、辺りの景色を眺めながら気楽に出来ます。また、少々疲れたと思ったら休憩もし、そのときの体調によって適宜変更できます。

 ウォーキングは有酸素運動といって、ウォーキング中に絶えず酸素を取りながら行う運動です。ですから、短距離競走のように、短時間で多くのパワーを出す運動とは異なります。ウォーキングは健康を維持すると同時にいろいろな生活習慣病を予防する効果もあると言われています。

 ではどのように行ったらよいでしょうか。まず、しっかりと普通に歩くことが基本です。そして、自分の能力に応じて、無理をしない程度で、適当に休憩をとりながら、周辺の景色を眺められる程度で、気持ち良くウォーキングしましょう。また、歩くのが多少辛い場合は両腕にスキーで使うストック又は普通の杖を使って歩くのもよいでしょう。決して無理をしない程度で毎日続けましょう。

 ウォーキングの指導書、テレビ、ビデオなどでは必ずといってよいほど、背筋をしっかりと伸ばし、腕を大きく振りながら、大股で、膝をしっかりと伸ばし、踵からしっかりと着地するように注意してウォーキングをしなければ効果が無いと書いてあります。確かに、理想としてはそうかもしれませんが、高齢者では無理な場合もあります。最初からあまり厳しく考えなくてよいでしょう。まず自分に見合った程度から始めることです。

 ウォーキング以外では軽いストレッチ運動などもよいでしょう。毎日少しずつ続けましょう。