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【もしもし、こちら医療費相談室です】 医療費支払い困難など3件も 際立つ孤立化と貧困

 神奈川県保険医協会では県医療社会事業協会(県内の医療ソーシャルワーカーの団体)と共催で、『医療費相談室』を毎月第3水曜日に開設。診療所のケースワーク機能の補完と医療費の支払等に困窮する患者や家族の個別救済を行っている。相談日には電話での相談とともに、事前予約による面談にも応じている。

 2009年3月18日の相談日には、3件の相談が寄せられた。

 

60歳独居 経済的に困窮 医療費が大きな負担に

 1件目の相談者の60代女性は、昨年7月まで介護の仕事をしていたが、腰痛がひどく、定期的な通院が必要であると診断され、現在は仕事ができない状態。

  「独り暮らしで、貯金を切り崩して生活費を工面しているが、毎月の医療費が1万4千円~2万円かかっており、大きな負担となっている」と、先行きの不安を訴えた。

 家族や親戚からの支援を受けられないのかとの相談員の問いかけに「子どもが2人いるが迷惑をかけたくない。支援は受けられない」。役所にも相談したが、非課税世帯であることや70歳未満であるため、通院の医療費減免は受けられないと説明を受けた。
 

 相談員は、自己判断で通院を中断しないよう、通院を継続する必要性を伝え、医療費助成となる障害認定が受けられないか医療機関に相談してみることや生活保護について情報提供をおこなった。

 

 2件目の相談者である60代男性は、5年前から糖尿病を患っており、現在は無収入状態。家族はおらず、独身で独り暮らし。「生活費はどうにかやりくりしてきたが、毎月2万円の医療費の支出が経済的に厳しい。この電話相談で何か助成をしてくれるのか」。

 相談員は困窮している状況を訴える相談者に傾聴しながら、電話相談では医療費や保険料の減免制度や医療・福祉制度について紹介している旨を伝え、生活保護の申請状況などを確認した。

 相談者は「生活保護について役所にも相談したが、通院に使っている車を取り上げられると困るので申請はしたくない」と漏らした。

 

医療機関の対応に関する相談も

 3件目の相談者は、職場での怪我で総合病院を受診。後日、深夜の時間帯に再度受診し、診断書の発行を求めたが、日中の再来院が必要と言われた。

 「診断書を書けない法律上の規定があるのか」との相談に、「病院内での規定ではないだろうか。院内のケースワーカーに相談してみてはどうか」とアドバイスをおこなった。


 

 日々の生活にも困窮する人々に追い討ちをかけるように、100年に1度ともいわれる不況による収入減が、医療という最後のセーフティーネットをも脅かしている。

 『医療費相談室』では、ベテランの医療ソーシャルワーカーが医療・福祉制度について紹介、制度の利用方法などについて無料でアドバイスをおこなっている。先生方の診療所で心当たりの患者さんを見かけ際には、是非ご紹介いただきたい。

 

神奈川県保険医新聞より抜粋

(2009年4月5日・第1755号)