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糖尿病による失明

 糖尿病の三大合併症のひとつに糖尿病網膜症があります。この病気は1989年以降、わが国における視覚障害認定患者の失明原因の約20%を占め、第一位の座にあります。

 生まれつき目の不自由な人たちは、成長の過程で見えないことを補う様々な手段を身に付けますが、糖尿病網膜症で失明する人たちは40歳、50歳まで見えていた目が急に見えなくなるので、その変化に対応するのが困難で患者さん本人は勿論の事、周囲の人たちも苦労されることが多く、悲惨な病気と言わざるを得ません。

 糖尿病は全身の細い血管に障害が起こる病気ですが、目もその例外ではありません。光の刺激を感じとる網膜の血管に障害が起こり、出血や炎症が生じる病気が糖尿病網膜症です。程度の軽い単純網膜症のうちは、糖尿病の管理を厳しく行うことで改善しますが、程度が重くなって前増殖網膜症、増殖網膜症と進行していくにしたがい治療も困難になり、視力低下により日常生活に支障を来たすことも少なくありません。
 糖尿病網膜症の治療法として、レーザー光線による光凝固が良く知られていますが、これは血管の障害で血液の循環が悪くなったところをレーザー光線で焼いてしまい、新たな出血などを防ぐ予防的な治療です。光凝固をすれば低下した視力が一気によくなるというようなものではありません。

 糖尿病網膜症を防ぐ最良の方法は糖尿病の管理をきちんと行うことです。さらに、網膜症はある程度進行しないと自覚症状が出現しないことが多いので、糖尿病と診断されたら定期的に眼科医による検診を受けることが大切です。定期的に検査を受ける事で早めに異常を発見し、網膜症が前に述べた単純・前増殖・増殖のどの段階にあるかによって適切な処置を行えば、失明を防ぐことができます。また、網膜症が進行してしまうと、たとえ血糖値がよい状態にあっても網膜症は悪化することがありますので眼科受診は必要です。

 糖尿病による目の病気は網膜症以外にも、白内障、縁内障、虹彩炎、角膜障害、視神経症、末梢神経障害による眼球運動障害、目のピント合わせがうまくいかなくなる調節障害などがあります。これらは眼科の外来で一般的に行われる検査で容易に検出できます。糖尿病といわれたら、特に内科の先生の指示がなくても必ず眼科を受診するようにしましょう。

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