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ホルター心電図

心臓は、血液を通して、全身の組織や臓器に酸素と栄養をむだなく運び、自らも「血圧と血液量、リズム」を調整しながら24時間絶え間なく活動しています。血圧、血液量、リズムなど、心臓のポンプ機能に異常が生じたときには、動悸、息切れ、めまい、失神、胸部圧迫感、胸痛や歯の痛み、手のしびれ感などの症状として現れます。聴診や視診、血圧や脈の測定、胸部X線、心電図、負荷心電図心エコー、血液検査などで「心臓の診断」をつけますが、これらに対してホルター心電図が有効な場合があります。

1961年アメリカ人のホルターは、テープレコーダを応用して、心電計そのものをコンパクトにし、「長時間の心電図連続記録」を可能にしました。この装置は通常「ホルター心電図」と呼ばれており、24時間装着記録することで、運動時、安静時を問わず心臓自体様々な情報をもたらしてくれます。アポロ計画に応用されるに至って「ホルター心電図」は脚光をあびるようになったのです。

応用範囲は病的であっても自覚症状や他の検査で現れない場合、長時間の心電図に記録されることがあります。自覚症状が病的であるかどうかの鑑別、心臓発作が起こったとき、時間の長さと内容の把握、発作前後の心機能状態を知る、正常心電図の記録であっても、24時間のうちに心臓内で起こっているエピソードを知ることができる等であります。

一過性の心房細動や上室性の心室性期外収縮、心臓の博動が一分間に120~180にもなる「発作性頻脈」の発見、昼夜を問わず脈が数秒間途絶えて起こる「めまい」やときに脈への酸素不足で「失神」を起こす「洞不全症候群」、無痛性心臓虚血やアルコール飲用後夜間に発作を起こす「狭心症」、就寝前降下剤服用によって起こる「夜間の低血圧」。あるいは眠りが浅くなったとき、明け方起こる「安静時狭心症」、起床時カテコールアミン(ノルアドレナリン)分泌増加による「高血圧」や「狭心発作」などの発見にも役立ちます。

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