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肝臓のはたらき

 肝臓というとすぐお酒のことを思いうかべる人が多いでしょう。アルコールは肝臓で分解されてエネルギーを発生します。これは肝臓のはたらきのごく一部です。お酒を飲むとすぐ顔が赤くなり、心臓がドキドキする人は肝臓が悪いようにみえます。これは肝臓で、アルコールがアセトアルデヒドに変わり、次いで酢酸に変わりますが、そのはたらきをたすける酵素が殆どないため、アセトアルデヒドがどんどん溜まってしまうせいです。

 肝臓のはたらきは、細かく数えると数百種類もあると言われていますが、大きく分けて四つあります。まず、第一はいろいろの栄養素や体に必要な物質を作ることです。食べ物や飲み物を摂ると消化液で分解されて、ブドウ糖とか脂肪酸、アミノ酸その他の有機質、無機質となって小腸から吸収されます。そして門脈という血管を通って肝臓にはこばれます。肝臓の細胞は、これらの材料をつかってグリコーゲンや中性脂肪、コレステロール、アルブミンをはじめ各種の蛋白質を作ります。

 第二はエネルギー代謝です。肝臓でもエネルギーの発生に必要な物質を産生します。

 第三は解毒です。体内で生じた老廃物や外から入った毒物をいろいろ処理して無毒な物質に作り変えたり、体外に排泄しやすい形にしたりします。アンモニアを尿素に変えたり、血色素からビリルビンを作ったり、コレステロールから胆汁酸をつくります。毒物はグルクロン酸やアルブミンをくっつけたりして処理します。

 第四は排泄です。不用になったコレステロールは胆汁中に溶かして、胆道から十二指腸へ排泄されます。ビリルビンや胆汁酸も胆汁として排泄されます。

 また、いろいろの薬や毒物も胆汁中に溶かされて排泄されます。