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乳幼児への薬の飲ませ方

 子どもと言っても、比較的大きな小学生以上の子どもはほぼ大人と同じように飲めると思いますので、ここでは主として乳幼児を中心にお話致します。

 一般に、子どもに薬を飲ませなければならないときは病気のときです。病気のときはからだの調子が悪いときですから、普段口にしたこともない薬を飲ませること自体が大変なことです。当然のことながら薬を飲むのを拒否する場合が多いと思います。

 このように赤ちゃんや子どもに薬を飲ませるには一苦労ですが、その薬が必要な場合はなんとかしてのませなくてはなりません。そこで次のような工夫をしてみて下さい。

 まず一口に薬といってもいろいろな種類があります。それによって薬の飲みかたも変ります。まず一般的なものとしてシロップ、つまり水薬があります。また、顆粒つまりドライシロップになっているものもあれば、粉薬、錠剤などもあります。また、乳幼児に処方される場合はあまりないと思いますがカプセルもあります。

 このうち、乳幼児に処方される薬のうちで一番多いのはシロップだと思います。乳幼児用につくられたシロップは子どもが好みそうな味着けされたものが多く比較的飲み易くできています。従って、飲ませるのにあまり苦労はないと思います。ドライシロップは子どもが好みそうな味がついているものが多くなっていますので比較的飲ませ易いでしょう。

 シロップでも服用するのを拒否するようなときは子どもが好む味のヨーグルトやアイスクリーム、シャーベット、ジュースなどに混ぜて食べさせて下さい。さらに、シロップをシャーベット状に凍らせて食べさせてみて下さい。

 問題は粉薬や錠剤が処方された場合です。まず粉薬の場合は飛び散り易く、飲ませる時に乳幼児が泣いているときなどの服用は無理です。そこで止むを得ない方法として粉薬を水で練り、水飴で甘くして食べさせましょう。また、錠剤の場合は軽く叩いて粉状にして同様な方法で飲ませましょう。

 いずれにしろ、乳幼児に薬を飲ませるのは苦労なものです。どのような剤形のものであれ、必ず空腹時に飲ませましょう。満腹のときにいくら美味しそうに味付けした薬でも更に飲ませようとしても無理です。空腹時に薬を飲むと胃がただれるのではないかと心配しますが、乳幼児に処方される薬では胃が爛(ただ)れるほど強烈な薬はまずありません。従って空腹時に薬を飲んでも心配はいりません。