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発育のパーセンタイル値とは何ですか

 母子健康手帳の38ページを開いてみて下さい。ここには生まれてから最初の1年間の男の身長と体重のグラフがあり、次の39ページには1歳から6歳までの男のグラフがあり、以下女の身長、体重、および頭囲、胸囲などのグラフがあります。

 では、これらのグラフを見てどのように考えたり利用したらよいのでしょうか。いろいろなグラフがありますが、基本的な考え方や見方は同じなので最初の38ページのグラフを例にとりながら考えてみましょう。まづ、これらのグラフはパーセンタイル値によるグラフなのだと理解して下さい。

 ところで、パーセンタイル値とは何でしょうか。母子手帳の解説文章をみると、線の中には、各月・年齢の94パーセントの子どもの値が、帯の中には80パーセントの子どもの値が入ります、と書いてあります。これだけだと分かり難<づら>いと思いますので少し補足して説明します。つまり、グラフには4本の曲線があります。一番下の線から順に、3パーセンタイル、10パーセンタイル、90パーセンタイル、97パーセンタイルの線といいます。一番下の3と一番上の97は線でのみ示され、10と90の間は塗りつぶされています。

 次に、実際にあなたの子どもの体重を測ってみてグラフに書き入れてみて下さい。例えば、男の子で生後6か月の赤ちゃんの場合、体重が約9キロだったとしますと、ほぼ90パーセンタイル値の線にありますから、この赤ちゃんの体重は約90パーセンタイル値にあると評価します。言い換えるならば、同じ6か月の赤ちゃん100人を測って順に並べてみた時、上から約10番目くらいの位置にあると評価します。

 但し、ここで気を付けなければならないことがあります。それは身長や体重を測って、大きいから良い、小さいから心配だという評価をしないことです。つまり、からだの発育には個人差があるということです。生まれた時の大きさや、身長との関係をみながら評価しなければなりません。それらを総合してその子にとって適切な発育をしているかどうかが判断されるべきです。それには必ず小児科医の診察を受けるようにしましょう。