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風疹ワクチンを受けよう

 まずはじめに、風疹ワクチンのお話をする前に風疹というものがどんな病気なのかということについて説明しておきましょう。風疹は別名三日ばしかとも呼ばれるものです。この病気は伝染病の中でも比較的軽いもので、もしかかったとしてもそれ程心配するものではありません。

 ではこの風疹にかかるとどんな症状がでるのでしょうか。主な症状は発熱や発疹です。発疹の色は淡い赤い色で比較的細かいものです。この外の症状としては、全身がだるくなったり、首などのリンパ節が腫れたり痛くなったりします。発疹の出方には特徴があります。発疹の出はじめの1日か2日目は顔や胸、背中などに出ますが3、4日すると腕や太ももなどの手足に移ってゆきます。つまりからだの中心部から末端の方へ移ってゆきます。発疹は4,5日もすると消失しますし、発疹のあとに色を残しません。この点ははしかと異なります。

風疹は4歳ころまでに約30パーセント、9歳ころまでには80パーセントの子供に感染するといわれています。成人でもかかるひとはいますが、やはり子ども中心の伝染病といってよいでしょう。

このように風疹そのものはさほど怖い伝染病ではありませんが、希に脳炎や紫斑病などをおこすことがありますので注意が必要です。またこの風疹で重要なことは、妊娠の初期の12,3週の妊婦が感染すると、おなかの中の赤ちゃんが先天性の白内障や聴力障害や心臓の奇形などになる場合があります。従って、これらの異常症状をもった子どもが生まれないようにするためには、妊娠前の女性は風疹にかかって抗体が出来ているかどうかを調べておく必要があります。いずれにしろ、異常児を生まないためにも、女の子ばかりでなく男の子も風疹ワクチンを受けるようにしましょう。

この風疹ワクチンは満1歳を過ぎれば受けることができます。なお、ワクチンを接種する2,3日まえから体温を計って記録しておきましょう。

風疹ワクチンを接種してから2週間くらいしますと、軽い発熱、発疹、リンパ節の腫れ、関節の痛みなどがみられる場合があります。しかし、これらの症状は数日で消失してしまいます。

なお、満1歳を過ぎたら、まずはしかのワクチンを受け、その後にこの風疹ワクチンをうけましょう。さらには、みずぼうそうのワクチンやおたふくかぜワクチンも受けるとよいでしょう。これらのワクチンを受けることによって、いろいろな伝染病にかからないようにしましょう。