保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

健康ファイルボックス

病気や健康に関する知識をお届けします

TOP > 健康ファイルボックス > 小児科 > 痙攣を起こした事がある 予防接種してよいか?

痙攣を起こした事がある 予防接種してよいか?

 痙攣をおこしたことがある子供の場合、予防接種をしてよいかどうかについてお話いたします。

 はじめに、現在わが国で行なわれている予防接種にはどんなものがあるでしょうか。乳幼児期に受けた方がよいワクチンには次のようなものがあることを知っておきましょう。

 まず、生まれてから3か月を過ぎるとBCG、ポリオ、三種混合ワクチンつまりジフテリア、百日咳、破傷風をあわせたワクチンがスタートします。さらに1歳を過ぎると、はしか、風疹、水とう、おたふくかぜなどを接種することができます。また、3歳になると日本脳炎ワクチンも始まります。この日本脳炎ワクチンは最終的には中学3年生まで行います。このように乳幼児期から小学生、中学生までたくさんの予防注射を受けなければなりません。

 さて、まえおきが長くなりましたが、お子さんが過去に痙攣、つまりひきつけを起こしたことがある場合どのように対処したらよいでしょうか。以前は一度ひきつけがある場合は一年間予防接種が受けられませんでした。しかし、必ずしも満1年経たなくても、母親の希望および医師の助言によって実施できるようになりました。それというのも、ワクチンを接種しないでいろいろなウイルス性の伝染病にかかって引き起こされるマイナスよりも、たとえ1年が経過していなくても慎重に予防接種をした方が有利だと判断されるからです。

 一口にひきつけといってもいろいろな程度があります。一番多くみられるのは熱性痙攣といって、乳幼児が急に発熱したときにみられるものです。しかしひきつけはこのほかにもいろいろな原因で起こります。したがって、場合によっては脳波や特殊な検査が必要なこともあります。痙攣の回数が多いとか、痙攣を起こす時間が長かったといった場合はこれらの検査を受けて、それによって予防接種を実施してもよいかどうかを医師と相談しながら決めなければならない場合もあります。いずれにしろ、その子供一人一人によって異なりますから医師によく相談してください。