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冬に多い子供の風邪

 寒い冬は大人も子供も風邪をひき易いものです。まず初めに、そもそも風邪とは何なのかということから説明しておきましょう。

 わたくしたちは風邪という言葉を日常会話の中でよく使います。例えば、今日は少し風邪気味だとか、先日はひどい風邪をひいてしまったとか言います。みなさんが医師の診断を受けるときも、風邪をひきました、と言います。一方、診察をした医師からも、風邪ですね、と説明されます。このような会話をするだけで、診察を受けた患者も説明をした医師も何となく分かったような気持ちになります。日常会話ならば単に風邪という言葉でもよいのですが、このような医療の現場では風邪というだけでは殆ど説明になっていません。

 では、厳密に風邪とは何かということになります。それは、一言でいうならば、上気道においてカタル症状を呈する病気の総称といえます。従って、正しくは風邪症候群と言った方がよいかもしれません。しかし、これだけでも何のことやらさっぱり分かりません。もう少し具体的に説明しますと次のようになります。つまり、この風邪という病気は主としてウイルスの感染によってひきおこされるもので、症状としては、咳、はな(鼻汁)、クシャミ、のど(咽頭)の痛み、発熱、筋肉の痛み、全身倦怠感などがあります。ですから、軽い場合ははな(鼻汁)風邪くらいのものから、重い場合はインフルエンザのような風邪症候群もあるといっていいでしょう。子供の場合はもっと外の病気も重なる場合もあります。

 従って、この風邪症候群の中味を余病をも含めて具体的な病名に分けるといろいろなものがあります。例えば、鼻カタル、咽頭炎、気管支炎、細気管支炎などがあります。時には、子供の場合は風邪症候群の余病として嘔吐下痢症や脳炎にまでなる場合もあります。 以上のことでも分かりますように、何らかの症状があって医師の診察を受けようと思ったら次のようなことを心がけてください。まず、どんな症状が心配なのかを伝えましょう。そして、それがいつごろからあるのか、体温は何度かなどです。特に、乳幼児はその状態を説明するのは難しい面もあります。親が単に風邪ですと言うのではなく、咳があるとか、はな(鼻汁)が出るとか、熱が何度あるとか、のど(咽頭)を痛がるとかという症状を客観的に見て伝えるようにしましょう。

 大人も子供も冬や夏を問わず1年に1、2度の風邪をひきます。よく言われるように、風邪は万病のもとです。何か変だなと思ったら早めの治療をして大事に至らないようにしましょう。特に、乳幼児は自分から具体的な症状を言いません。親が客観的な目で判断して早めに治すようにしましょう。