保険医の生活と権利を守り、国民医療の
向上をめざす

健康ファイルボックス

病気や健康に関する知識をお届けします

TOP > 健康ファイルボックス > 小児科 > はしかワクチンを受けよう

はしかワクチンを受けよう

 ワクチンのお話をする前に、「はしか」という病気がどういうものかについてお話しましょう。まず原因は麻疹ウイルス、つまりはしかウイルスの感染によって起る伝染病です。どれくらいの年齢から感染するのでしょうか。それは一般に、母親から受けついだ麻疹に対する免疫が消失する生後6ヵ月頃からかかる可能性があります。

 ではどんな症状が出るのでしょうか。この病気にかかると、まず発熱、鼻汁、咳に加えて発疹が見られます。また、なみだ目になって目やにが強くなるのも特徴です。これらのいろいろの症状が出て、2、3日してほほの粘膜にコプリック斑という白い斑点が確認されればはしかという診断が確実になります。しかし、お母さんがこのコプリック斑を見付けるのはなかなかむずかしいかもしれません。

 はしかのもうひとつの特徴として、全体の症状がひいて治るころに、発疹の跡に褐色の色素沈着を残します。しかしこれもやがて消失します。

 はしかは10数年前まではよくみかける伝染病でした。こどもならばかかるのが当たり前のように思われたくらいです。その証拠に、誰もが経験するもののたとえとして「はしかのようなものだ」などという言葉があるくらいです。

 でも、最近では「はしか」に感染する子どもは少なくなりました。それは何といってもワクチンのお陰といってよいでしょう。でも、まだ十分とはいえません。はしかワクチンは麻疹ウイルスを弱毒化してヒトに接種しても強い症状を起さないようにし、しかも免疫が得られるように作られたものです。ワクチンといわれていることからもわかるように、理論上は「はしか」にかけることになります。

 ではいつ受けたらよいでしょうか。それは満1歳を過ぎたらいつでも受けることができます。たった1回の注射で済みますから簡単です。受ける前に母子健康手帳や厚生労働省発行の「予防接種と子供の健康」という冊子をよく読んでおきましょう。ワクチンを受ける日の2、3日前から体温を計って記録しておくとよいでしょう。

 はしかワクチンは生ワクチンです。従って接種後にある程度の副反応が出ることがあります。つまり、接種してから10日から2週間すると、だるい、不機嫌、発熱、発疹などが出る場合があります。しかし、もしもこれらの症状が出ても殆どの場合問題なく経過しますから大丈夫ですが、これらの症状が出たらワクチンを接種してくれた医師の診察を受けましょう。