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プール熱

 俗に夏風邪として扱われる、夏季に子供が高熱を出すウィルス性感染症の一つに、プール熱が有ります。この疾患は主にアデノウィルスの3、4型が原因で喉の痛みと発熱の他に、眼の充血と痒みを伴うのが特徴で、特にプールでの感染が疑われる場合にこう呼ばれています。しかし同じアデノウィルスでも他の型の場合、眼の症状の代わりに腹痛や下痢、嘔吐を示す事が有りますが、菌の感染経路や立ち振る舞いは殆ど同じです。また近年新しく見られるようになったアデノウィルス7型の場合、子供の頃に罹っていない大人に対しても、激しい喉の痛みと発熱のみが強く、あまり咳を伴なわない夏風邪として時々流行します。

 治療には病原体がウィルスですので抗生物質は無効です。従って粘膜の痛みや荒れ等に対する症状を緩和する薬が処方されますが、安静にして休む事が一番です。ヨード系の茶色いウガイ薬での殺菌が予防にも治療にも一応有効です。必要に応じて、若しくは市販の風邪薬の殆どに最初から解熱剤が入っているのですが、薬で熱を下げても治っている訳ではないので、無理をしない様に御注意下さい。

 尚、予防として一般的な消毒薬の逆性石鹸やイソプロパノールは無効ですから過信しないで下さい。また罹患中は学校伝染病第2類に指定されていますので登校禁止となっています。勿論、公衆のプールや浴場にも行かない様にしてください。